BJフィルタについて

1. インストール方法

実際にプリンタで出力させるには、本フィルタをLinuxに組み込む作業が必要です。本フィルタは必ずLinux上からインストールしてください。

1.1 インストールの流れ

Red Hat Linux、TurboLinux等のLinuxディストリビューションパッケージではインストールの操作が異なります。
以下に、インストールの大まかな流れを説明します。

○ Red Hat Linux 6.2Jの場合の流れ

Red Hat Linuxの場合、インストールの流れは次のようになります。

1) Red Hat Linuxのインストールをします。

2) 2つのrpmファイルを準備します。

3) rpmファイルをインストールします。

4) プリンタの定義ファイル(printcap)を編集します。

5) スプール用のディレクトリを作成します。

6) システムを再起動します。

○ TurboLinux 6.0の場合の流れ

TurboLinuxの場合は、インストールの流れは次のようになります。

1) TurboLinuxを「開発ワークステーション」の設定でインストールします。 Linuxのカーネルを再コンパイルする必要があるため、必ず「開発ワークステーション」の設定でインストールしてください。また、インストール中に、lpdサービスをオンにしておくことをお勧めします。

2) ステータスモニタの機能を有効にするために、IEEE1284のstatus readbackを有効にします。ここで、Linuxのカーネルを再コンパイルしなければなりません。

3) システムを再起動します。

4) 2つのrpmファイルを準備します。

5) rpmファイルをインストールします。

6) モジュール構成の定義ファイル(module.conf)を編集します。

7) プリンタの定義ファイル(printcap)を編集します。

8) スプール用のディレクトリを作成します。

9) TurboLinuxのインストール中にlpdサービスをオンにしなかった場合、ここで、runレベルの設定を行います。

10)システムを再起動します。

1.2 インストールの準備

BJフィルタをインストールするには、次のrpmファイルが必要です。

あらかじめ、ディストリビューションのCDからコピーしておくか、キヤノンのWebサイトからダウンロードしておいてください。

・bjfiltercom-x.x-x.i386.rpm  --------   共通プログラム、ライブラリなど
・bjfilter850-x.x-x.i386.rpm  --------   BJ F850(BCI-5系インク)用スクリプト、ライブラリなど
・bjfilter850ug-x.x-x.i386.rpm--------   BJ F850(BCI-6系インク)用スクリプト、ライブラリなど
・bjfilter860-x.x-x.i386.rpm  --------   BJ F860用スクリプト、ライブラリなど
・bjfilter870-x.x-x.i386.rpm  --------   BJ F870用スクリプト、ライブラリなど
・bjfilter360-x.x-x.i386.rpm  --------   BJ F360用スクリプト、ライブラリなど
・bjfilters600-x.x-x.i386.rpm --------   BJ S600用スクリプト、ライブラリなど
・bjfilters630-x.x-x.i386.rpm --------   BJ S630用スクリプト、ライブラリなど
・bjfilters6300-x.x-x.i386.rpm--------   BJ S6300用スクリプト、ライブラリなど
 (ここでx.x-xは、バージョン番号を示す数字です。)

必要なファイルは、1番目の共通プログラムのファイル、および使用するプリンタのモデルに対応する2番目から7番目のファイルのいずれか1つの合計2つのrpmファイルです。

注意: ・2つのrpmファイルは、必ず同じバージョンのものを使用してください。
・BJ F850のBCI-5系インク用とBCI-6系インク用は、使用するインクにしたがって、どちらか1つをインストールしてください。

1.3 Red Hat Linux 6.2Jの場合

Red Hat Linux にBJフィルタをインストールする手順を順を追って説明します。

1) Red Hat Linuxをインストールしてください。特に注意事項はありません。 詳しくは、パッケージに付属の説明書を参照してください。

2) Red Hat Linuxを起動し、rootでログインしてください。

3) 使用したいプリンタに必要な2つのrpmファイルをハードディスクの任意のディレクトリにコピーまたはダウンロードします。

4) Kterm等のターミナルソフトを起動し、次の例のように、rpmコマンドを使用して、BJフィルタをインストールします。

【BJ F850(BCI-5系インク)用の例】

[root@zzz /yyy]# rpm -ivh bjfiltercom-x.x-x.i386.rpm
[root@zzz /yyy]# rpm -ivh bjfilter850-x.x-x.i386.rpm

注意: 任意のディレクトリからrpmコマンドを実行する場合、パスを指定しておくか、cdコマンドを使って、カレントディレクトリをBJフィルタのファイルがあるディレクトリにしておいてください。

rpmコマンドの詳細は、Kterm等のターミナルソフトで man rpmと入力するか、次のURLを参照してください。

http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/RPM-HOWTO.html#toc1

5) gEditなどのエディタで、/etc/printcapを開きます。 printcapに次の内容を追加し、保存してからエディタを終了してください。
なお、printcapのサンプルファイルがある場合は、オリジナルの printcap をサンプルで置き換えても構いません。

なお、Linuxにおける一般的な印刷環境の設定については、次のURLを参照してください。

http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Printing-HOWTO.html

【/etc/printcap の記述例 BJ F850の例】

bjf850raw:\
       :lp=/dev/lp0:\
       :sd=/var/spool/lpd/bjf850raw:\
       :mx#0:\
       :sh:\
       :rw:\
       :if=/usr/local/bin/bjf850raw:

 bjf850ps:\
       :lp=/dev/lp0:\
       :sd=/var/spool/lpd/bjf850ps:\
       :mx#0:\
       :sh:\
       :rw:\
       :if=/usr/local/bin/bjf850ps:

6) Kterm等のターミナルソフトのウィンドウをアクティブにして、スプール用のディレクトリを作成します。次の操作をしてください。

[root@zzz /yyyy]# cd /var/spool/lpd
[root@zzz /lpd]# mkdir bjf850ps
[root@zzz /lpd]# mkdir bjf850raw

7) 以上でRed Hat Linux 6.2Jの場合のインストールは終了です。システムを再起動してください。

1.4 TurboLinux 6.0の場合

TurboLinuxにBJフィルタをインストールする手順を細かく説明します。

1) TurboLinuxをインストールしてください。次の点に注意が必要です。

・インストールタイプは、必ず「開発ワークステーション」を指定してください。
・起動サービス設定(TurboService)で、lpdを有効に指定することをお勧めします。
・詳しくは、パッケージに付属の説明書を参照してください。

2) TurboLinuxを起動し、rootでログインしてください。

3) ステータスモニタの機能を有効にするために、IEEE1284のstatus read backを有効にします。ここで、Linuxのカーネルを再コンパイルしなければなりません。 Kterm等のターミナルソフトを起動して、次のように操作してください。

[root@zzz /yyyy]# cd /usr/src/linux
[root@zzz /linux]# make xconfig
・Linux Kernel Configurationのウィンドウが表示されます。
・character deviceのボタンをクリックします。
・Support IEEE1284 status read backの項目を表示させます。
・デフォルトではnが選択されているので、yを選択します。
・Main Menuボタンをクリックします。
・Save and Exitボタンをクリックします。
・End of Linux kernel configuration.のメッセージに対して、OKボタンをクリックします。
・Kterm等のターミナルソフトのウィンドウで、次の一連のコマンド入力してください。

コンパイル中には、さまざまなメッセージが表示されますが、#のプロンプトが表示されたら、1つのコマンドが終了です。 1つのコマンドの処理が終了してから、その次のコマンドを入力するようにしてください。

[root@zzz /linux]# make dep
[root@zzz /linux]# make clean
[root@zzz /linux]# make bzImage
[root@zzz /linux]# make modules
[root@zzz /linux]# make modules_install
[root@zzz /linux]# cd arch/i386/boot
[root@zzz /boot]# cp bzImage /boot
[root@zzz /boot]# cd /boot
[root@zzz /boot]# rm vmlinuz
[root@zzz /boot]# mv bzImage vmlinuz
[root@zzz /boot]# /sbin/lilo

ここまでで、カーネルの再コンパイルは終了です。システムを再起動してください。

4) TurboLinuxを起動し、rootでログインしてください。

5) 使用したいプリンタに必要な2つのrpmファイルをハードディスクの任意のディレクトリにコピーまたはダウンロードします。

6) Kterm等のターミナルソフトを起動し、次の例のように、rpmコマンドを使用して、BJフィルタをインストールします。

【BJ F850(BCI-5系インク)用の例】

[root@zzz /yyyy]# rpm -ivh bjfiltercom-x.x-x.i386.rpm
[root@zzz /yyyy]# rpm -ivh bjfilter850-x.x-x.i386.rpm

注意: 任意のディレクトリからrpmコマンドを実行する場合、パスを指定しておくか、cdコマンドを使って、カレントディレクトリをBJフィルタのファイルがあるディレクトリにしておいてください。

rpmコマンドの詳細は、Kterm等のターミナルソフトで man rpmと入力するか、次のURLを参照してください。http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/RPM-HOWTO.html#toc1

7) gEditなどのテキストエディタを使用して、/etc/modules.conf の最後の行に次の一行を追加し、保存してください。

alias parport_lowlevel parport_pc

8) 同じくgEditなどのエディタを使用して、/etc/printcapを編集します。
printcapに次の内容を追加し、保存してからエディタを終了してください。
なお、printcapのサンプルファイルがある場合は、オリジナルのprintcapをサンプルで置き換えても構いません。

なお、Linuxにおける一般的な印刷環境の設定については、次のURLを参照してください。

http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Printing-HOWTO.html

【/etc/printcap の記述例 BJ F850の場合】


bjf850raw:\
       :lp=/dev/lp0:\
       :sd=/var/spool/lpd/bjf850raw:\
       :mx#0:\
       :sh:\
       :rw:\
       :if=/usr/local/bin/bjf850raw: 

bjf850ps:\
       :lp=/dev/lp0:\
       :sd=/var/spool/lpd/bjf850ps:\
       :mx#0:\
       :sh:\
       :rw:\
       :if=/usr/local/bin/bjf850ps:

9) Kterm等のターミナルソフトのウィンドウをアクティブにして、スプール用のディレクトリを作成します。次の操作をしてください。

[root@zzz /yyyy]# cd /var/spool/lpd
[root@zzz /lpd]# mkdir bjf850ps
[root@zzz /lpd]# mkdir bjf850raw

10) TurboLinuxのインストール時に、lpdのサービスを有効にしていない場合は、ここで、runレベルの設定を行います。次のように操作してください。

TurboLinuxのインストール時に、lpdのサービスを有効にした場合は、 ここでの操作は不要です。11)の作業に進んでください。

・「ターボセントロ」を起動します。
・ターボセントロのウィンドウが表示されたら、「turboservice」のアイコンをクリックします。
・起動サービス設定画面が表示されます。
・詳細ボタンをクリックします。
・リストをスクロールして、lpdを選択します。
・数字キー(キーボードの最上段にあるキーを使用してください)の3を押します。これで、runレベル3の
 設定がされました。
・再度、詳細ボタンをクリックします。
・リストをスクロールして、lpdを選択します。
・数字キー(キーボードの最上段にあるキーを使用してください)の4を押します。これで、runレベル4の
 設定がされます。
・同様にrunレベルの5も設定してください。
・終了ボタンをクリックしてください。
・さらに、終了ボタンをクリックして、「turboservice」を終了してください。

11) 以上でTurboLinuxの場合のインストールは終了です。システムを再起動してください。

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