Eclipse のアップグレード

Eclipse を古いリリースから新しいリリースにアップグレードする場合、簡単なステップがあります。 このステップにしたがって、新しいリリースにワークスペースをマイグレーションします。 ワークスペースは、ディスク上のディレクトリーです。 このディレクトリーには、すべてのプロジェクト・ファイルの他に、カスタマイズされた可能性のある 設定などのメタデータが含まれます。 アップグレードのために従うべきステップは、Eclipse の開始時に「-data」コマンド行引き数を使用したかどうかで 異なります。 「-data」引き数はワークスペースのロケーションを明確に指定するため、この引き数の使用をお勧めします。 この引き数が使用されないと、Eclipse は起動時の現行作業ディレクトリーにワークスペースを指定します。

ヒント: アップグレードする前にワークスペースのバックアップを作成することをお勧めします。 ワークスペースをアップグレードした後は、古いバージョンの Eclipse でそのワークスペースを再度使用することは できません。 前のリリースに「戻る」場合は、バックアップが必要です。

「-data」を使用しないユーザー

ワークスペースを指定する「-data」を以前に使用していなかった場合、以下のステップに従ってアップグレードしてください。

  1. 古いバージョンの Eclipse によって使用されていたワークスペース・ディレクトリーを探します。 一般に、このディレクトリーは、「workspace」というサブディレクトリー内の eclipse インストール・ディレクトリー内に あります。 Eclipse の起動にショートカットまたはスクリプトを使用していた場合は、「workspace」という サブディレクトリーにあるそのショートカットまたはスクリプトの現行作業ディレクトリーの下に このディレクトリーがあります。 Windows ユーザーの場合、このディレクトリーは、ショートカット・プロパティーにある「作業フォルダ」引き数に指定されています。
  2. このワークスペース・ディレクトリーを、Eclipse インストール・ディレクトリーの外にある空の新規ロケーションに コピーします。
  3. 新しいバージョンの Eclipse を古いバージョンの Eclipse とは別の新規ロケーションにインストールします。
  4. ワークスペース・ロケーションを示す「-data」コマンド行引き数を使用して、この新しいバージョンの Eclipse を 開始します。

例:

古い Eclipse インストール・ディレクトリー:
   c:\eclipse2_0

新しい Eclipse インストール・ディレクトリー:
   c:\eclipse2_1

ワークスペース・ロケーション:
   c:\data\EclipseWorkspace

Java VM ロケーション:
   c:\jre

Eclipse を開始するコマンド行:
   「c:\eclipse2_1 -data c:\data\EclipseWorkspace -vm d:\jre\bin\javaw」

ヒント: Eclipse の実行時に使用する Java VM を明示的に指定することをお勧めします。 それには、上の図のように「-vm」コマンド行引き数を使用します。 「-vm」を使用しない場合、Eclipse は OS のパスを参照します。 別の製品をインストールすると、パスが変更されることがあります。 この結果、次の Eclipse の起動時に別の Java VM が使用される場合があります。

「-data」を使用するユーザー

Eclipse を開始するための「-data」引き数を以前に使用していた場合は、アップグレード・パスは非常に分かりやすくなります。

  1. 新しいバージョンの Eclipse を古いバージョンの Eclipse とは別の新規ロケーションにインストールします。
  2. ワークスペース・ロケーションを示す「-data」コマンド行引き数を使用して、この新しいバージョンの Eclipse を 開始します。
図に関しては前のセクションの例を参照してください。

サード・パーティーのプラグインの追加

追加のプラグインを Eclipse 環境にインストールした場合、その新規プラグインを、インストールする Eclipse の 新規ビルドまたはバージョンごとに追加する必要があります。 その前に、そのプラグインに関するドキュメンテーションを参照して、そのプラグインが、移動先の バージョンの Eclipse と互換性があることを確認してください。 追加のプラグインを新規の Eclipse インストールに追加するには、いくつかの方法があります。

  1. プラグインごとにディレクトリーを新規 Eclipse バージョンの「plugins」ディレクトリーにコピーします。
  2. Eclipse 更新サイトを利用して、追加のプラグインまたはフィーチャーを新規バージョンの Eclipse に 再インストールします。
  3. 製品の拡張機能を使用する場合は、「links」ディレクトリーを新規 Eclipse バージョンの インストール・ディレクトリーにコピーします。 製品の拡張機能に関する詳細については、「プログラマーズ・ガイド」>「Eclipse ベース製品のパッケージおよび送達」>「製品の拡張」の 下にある『プラットフォーム・プラグイン開発者ガイド』を参照してください。

 
Copyright IBM Corporation and others 2000, 2003